労働力の供給として、労働者派遣・業務委託(請負)・出向などがありますが、派遣会社・受託会社は、クライアント(派遣受入先・委託会社)の要求する人数に対応出来ない場合はどうすれば良いでしょうか?
この場合に真っ先に思い付くのが、自社の従業員を増やす(新たに雇用する)ことだと思いますが、これは労働者派遣・業務委託どちらも正攻法です。
しかし、従業員を増やすと言っても、簡単なことではありません。
会社は様々な雇用リスクを抱えることになりますし、コストがかかります。
そこで、自社では賄えない労働力を他社の力を借りて賄うという方法が用いられることになります。
例えば、A社が労働者Xを雇用しているとします。このA社がB社に労働者Xを派遣して、B社がC社に労働者Xを更に派遣する場合、これを二重派遣と言います。
B社が派遣するのは自社が雇用する労働者ではないため、職業安定法に違反し、二重派遣は違法となります。
そこで、二重派遣は違法なため、クライアントと業務委託契約を交わし、自社で賄えない労働力を他社から労働者を派遣してもらい賄うという方法が用いられます。
クライアントとの契約形態が業務委託(請負)であれば、孫請けや孫々請けは違法でありませんし、自社で賄えない労働力を他社からの派遣によりカバーすることも適法です。
クライアント(受入先)から見た場合、派遣契約により労働者を供給している場合は、他社からさらに派遣・業務委託(請負)で労働者を供給してもらうことは出来ません。
クライアント(受入先)から見た場合、業務委託(請負)契約により労働者を供給している場合は、他社から派遣・業務委託(請負)で労働者を供給してもらうことは可能です。
但し、派遣は一度きりしか使えないので、請負会社に労働者を供給している派遣会社は他社から派遣や業務委託により労働者を供給してもらうことは出来ません。これは二重派遣になります。
上記のようにクライアントと適正な業務委託(請負)契約を交わすことにより、自社で賄えない労働力を他社の力を利用してカバーすることが可能となるのですが、ここで「適正な」と言及したのは、クライアントとの業務委託(請負)が偽装請負だった場合が問題となります。
労働者派遣を免れるために偽装請負をした場合、実態が労働者派遣であれば、先のようにクライアントと業務委託(請負)契約を締結していたとしても、それは労働者派遣契約とみなされ二重派遣の扱いを受けてしまいます。
二重派遣は明らかに違法ですので、労働者派遣契約を免れるために業務委託(請負)契約を締結している会社はもう一度よく契約内容と実態を確認して下さい。
偽装請負により実態が労働者派遣と見なされた場合は、行政も強気に取り締まりを行いますので、くれぐれも安易な考えで二重派遣を回避しないことです。
「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(告示37号)」
上記基準は必ず満たすように契約内容と実態を整備して下さい。
契約書の内容のみ整備しても何ら意味はありません。実態が労働者派遣であれば、契約書の内容を業務委託(請負)としていても強制的に労働者派遣としての扱いを受けます。
業務委託(請負)によりクライアントに労働者を供給している場合は、クライアントから、直接現場の各労働者に指揮命令が発せられないように責任者を設け、指揮命令は責任者を通して行うよう徹底することが必要になります。




