当事務所では、雇用形態を正社員や契約社員ではなく、業務委託契約で行いたいとのご相談が多く寄せられております。
なぜ、雇用形態を正社員や契約社員ではなく、業務委託により行いたいのかは、本メルマガ内でダウンロード可能な「30分で分かる!業務委託契約の基礎と労働者派遣契約との違い」に記載してあります。
簡単に言うと、業務委託契約での雇用形態の方が企業コストが削減できるからです。固定費を変動費に変えることが可能となります。
雇用に伴う解雇のリスクもありませんし、経営者を悩ませる社会保険料の支払いもありません。
経営者にとってはこれ程ありがたい雇用形態はないと思いますが、果たして本当に雇用形態を正社員や契約社員から業務委託にすることができるのでしょうか?
答えは、委託する業務の内容によっては可能と言えます。
但し、個人への業務委託を成立させるためのハードルは相当高いとも言えます。
きちんと専門家に相談せずに、市販の書籍を読んで見よう見真似で雇用形態を業務委託にしているほとんどの企業が、実態は業務委託ではなく、労働者としての扱いをしてしまっています。
労働者としての扱いをしている場合は、たとえ契約内容を業務委託契約としていても労働者には労働基準法が適用されますし、残業代なども払わなくてはなりません。
昨今の不況により企業はますますコスト削減のために個人への業務委託を利用したいと考えるようになると思いますが、間違った業務委託の利用は、会社に多大な損害をもたらします。
誤った知識により雇用形態を業務委託にした企業のほとんどが、労働者に訴えられて敗訴しているのです。
それ程、個人への業務委託の成立要件は厳しく、労働者性を否定し、個人事業主との業務委託契約であると認められる可能性は低いのです。
例えば、システムエンジニアなど専門能力を有する人を正社員や契約社員ではなく、個人事業主として業務委託契約を交わすことが多いのですが、
このSEに委託する業務内容が事前に明確にされておらず、日々の業務の中の指示により決まり、就業場所も定められ、勤怠管理がされているなどの場合は、業務委託契約として認められません。
これはSEに労働者性が認められることになります。
他にも、介護事業を営む会社において、ヘルパーなどと業務委託契約を交わしてはいるものの、ヘルパーの勤怠については全てシフト管理しているような場合は、業務委託契約として認められません。
工場勤務など、製造業において個人との業務委託契約が適法に成立することはまずないと考えて下さい。
※全く成立しないわけではありませんが、成立させるためには高いハードルをクリアしなくてはなりません。大抵の企業がクリアできないため、製造業において個人との業務委託契約が成立することは難しいと言えます。
それでは、個人との業務委託契約を適法に成立させるためには、どういう要件を満たさなくてはならないのか?
また、どのような業務が個人との業務委託に適しているのか?
などは続き「個人との業務委託契約により偽装請負を回避できるか(2)」をご覧下さい。




