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偽装請負とは

業務委託契約は、人件費などのコストの削減、雇用に伴う解雇などのリスクの回避、新規事業の立ち上げにおける投下費用削減やそれらの業務の効率化などに非常に有効な手段として多くの企業が利用しています。

偽装請負とは、実態は労働者供給又は労働者派遣にも関わらず、請負(業務委託)形式で労働者を労働に従事させていることを言います。

平成16年3月からの製造業務への労働者派遣の解禁に伴い、偽装請負による業務委託契約がますます増えてきており問題となっております。

また、現代の不況下においては、社会問題となっている派遣切りなど、企業は人件費削減のために、一層雇用形態を業務委託にシフトしていく可能性があります

そこで、問題となるのが偽装請負です。

なぜ、企業は雇用形態を業務委託にシフトしたいのかというと、業務委託契約にした方が企業はコストの削減を大幅に出来るからです。

業務委託の形式を取った場合、契約を交わすのは委託者である企業と個人事業主である労働者個人になります。
※ここでは会社対会社の業務委託契約は対象外とします。

労働者は企業に雇用されると労働基準法など様々な法律により労働者としての地位を保護されます。

例えば、時間外勤務手当、休日出勤手当などの割増賃金、年次有給休暇の取得などがありますし、労災保険の対象となり、業務上の負傷・死亡に対して保険給付があります。雇用保険・社会保険にも加入することとなります。

その分、労働者は会社(使用者)による様々な拘束を受けることになり、就業規則の服務規律や時間的、場所的拘束を受けることになります。

これを業務委託という形式を取った場合、契約は企業対個人事業主である一経営者としての個人と交わすことになるので、個人事業主は自ら確定申告を行わなくてはなりませんし、自ら各種保険等に加入しなくてはならないので、企業はこれらのコストを負担しなくて済むことになるのです。

また、個人事業主には労働基準法の適用がないので、何時間残業しようとも、委託者は残業代を支払う必要はありません。休日出勤手当も不要です。労働保険も厚生年金にも健康保険にも加入しなくて結構です。受託者は業務上の負傷・死亡に対しても労災保険からの保険給付はありません。解雇予告も必要なくなります。

個人事業主は一人の労働者なのではなく、一人の経営者なのです。

つまり、個人事業主は自らの仕事に対して自らが責任を取らねばなりません。

その代わり、委託者である会社の指示・命令に従う義務はありません。委託者である会社には受託者に対する指揮命令権がありません。委託される業務を断ることも可能なのです。

これが本来の適法な業務委託なのです。

企業は業務委託を利用することにより、人件費を業務委託費に転換し、売上高の増減に費用を連動させることが可能となります。人件費が業務の受注量に合わせた変動費になるので、固定費削減が可能となるのです。

しかし、本来、委託会社の指揮命令を受けることなく業務を遂行することが可能なのが個人事業主としての業務委託契約にも関わらず、実態は委託者である企業に指揮命令系統があり、時間的・場所的管理もされていることが多いと言えます。これを偽装請負と言います。

偽装請負により労働に従事させられている労働者の雇用形態は、業務委託契約ではなく、雇用契約とみなされます。

業務委託契約は、契約書のタイトル・内容で判断されるのではなく、その実態で判断されます。

完璧な業務委託契約書を作成したとしても、実態が雇用と変わりがないのであれば、業務委託契約の一部又は全部が無効となり、個人事業主は労働基準法などの保護を受けることが可能となります。

偽装請負をしている会社は、契約書上は個人事業主ではあるが、実質的に労働者としての扱いを受けている労働者に訴えられたり、労働基準監督署に飛び込まれた場合は、今までの残業代等を支払うことになったりと、思わぬペナルティを科せられる可能性がありますので注意が必要です。

偽装請負かどうかの判断基準は、厚生労働省告示「労働派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」に詳しく記載されており、自主点検項目も記載されているので、これから業務委託契約を交わす予定の方、既に業務委託契約を交わしている方も一度確認することをおすすめ致します。

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